以前書き込みした、「ナポレオン・ヒルの巨富を築く13の条件」は、1991年12月に初版。
僕が持っている本は、1999年10月 52刷発行のものだ。
文章の中に漫画が挿入されて、まず漫画を読んで興味が沸き、メインの文章を読んでもらうように作ってある。
13の条件は全て書かれているが、その分、訳を簡略しているように思える。
ふと、他の翻訳本と少し比べてみたい、と思いました。
現在発行されているものは、騎虎書房、「思考は現実化する」パート1,2,3の3冊。
1990年初版で、1992年47版目の本、パート1では、最初、アメリカのナポレオン・ヒル財団の理事長をしている、W・クレメント・ストーンの言葉、ナポレオン・ヒルからのメッセージがあり、
序章でナポレオン・ヒルの生い立ちからこの成功哲学が作られるまでの過程が紹介されます。
この序章部分が、以前紹介した「巨富を築く13の条件、漫画サンド版」では、漫画となって書かれています。
そして、あちらでは13の条件であったものが、こちらでは17のステップに分かれていて、
パート1~3の、3冊に分かれてより詳細に書かれています。
例えば、願望の章で、強い思いを持つことの重要性を説く時に、中国での逸話を紹介しています。
一番翻訳が短いのは、漫画が入った「ナポレオン・ヒルの巨富を築く13の条件」
「その昔、ある将軍がいた。戦時下において、将軍は緊迫した状態で決断を下さなければならない場面にしばしば遭遇した。あるとき、この将軍は見方の兵力をはるかに上回る敵の大軍に立ち向かわなければならないことになった。将軍は意を決して自軍の兵隊を船に乗せて敵地に向かわせたが、兵隊が敵地に上陸し終わるや、船を焼き捨てるように命じたのである。攻撃を前にして将軍は、部下に自分の決意を語った
(よく聞け。いまお前たちが乗ってきた船は火につつまれ、沈みつつある。もはやわれわれは戦いに勝たない限り、生きて国へ帰ることはできないのだ!われわれにはもはや選択の道はない。勝利か死か、そのいずれかがあるだけだ!)
そしてこの将軍は大勝利をおさめることができた。
どのような仕事、事業を行なうにせよ、それで成功したいと思うなら、まず自分の船を焼き払って、逃げ道を断ち切ることだ。そうすることによって、燃ゆるがごときエンスージアム(熱意)と願望を、絶えず心の中に持ち続けることが可能になるのだ。それは成功にとって不可欠な要素である。
これが、翻訳の長くなった 「思考は現実化する パート1」では、
「昔、ある偉大な将軍が、戦場での勝利のために重大な決断をしなければならないことがあった。数の上で自軍に勝る強力な敵軍に、自分の兵を送り込まなければならなくなったのである。将軍は兵隊を船に分乗させ、見つからないように敵地へ忍び込んだ。兵隊の武器弾薬の全てを船から降ろすと、将軍は自軍の船を全部燃やすように命令した。めらめらと燃える船を背にして、将軍は言った。
(皆見るがよい。わが軍の船が、今炎上している。わが軍にもはや逃げて帰る船はない。戦いに勝たなければ生きて帰ることはできないのだ。溺死したくなければ戦え!わが軍は勝つは、あるいは全滅するかのどちらしかないのだ)
そして、彼らは勝利を収めた。
目標や願望のいかんにかかわらず、勝つためには後退するためのすべての道を断絶してしまわなければならない。成功するために不可欠な燃え上がる願望を心の中に持ち続けるには、そうすることが必要なのだ。
・・・この後、中国の昔の話で、川を背にして戦った韓信の例(背水の陣)と、孫子がこの逆をしてはいけない(相手を追い詰めてはいけない)として、必ず敵を囲むときには逃げ道を作っておく必要がある、と紹介しています。
1977年に発行?(初版が昭和52年、59年の31版番)された、産業能率大学出版の「成功哲学 やる気と自信がわいてくる」では、
「昔、ある偉大な将軍が戦場で重大な決断を迫られたことがあった。千名足らずの兵隊を引きつれて、一万人を超える強兵が待ちかまえる敵陣の真っ只中へ乗りこまなければならなくなったのである。将軍は兵隊たちを船団に分乗させると、ひそやかに敵国へ忍び込んだ。船から兵隊と武器弾薬をすっかり降ろし終わると、将軍は全船を”燃やしてしまう”ように命令したのである。赤々と燃え上がる船団を前にして将軍は言った。
(諸君、われわれの船団は今、炎と煙につつまれている。もうわれわれには逃げて帰る船はないのだ。もはや戦いに勝つ以外に、生きて帰る道はない。われわれに残された道は、勝利か、さもなくば、全滅あるのみだ!!)
彼らは勝った。目指すものが何であろうと、勝利を得るためには、自らの船を焼きすてて、退却するためのすべての手段を断ち切ってしまわなければならない。そうすることによってのみ、「成功哲学」の第一段階である、「燃えるばかりの願望」がその威力を発揮するのである。
こうやって、読み比べて見ると、翻訳によって受け取る印象が随分変わってくるのに驚きます。
一番短いものは、それだけ読んでしまうと、あっさりとした感じで、少し無理やり?という気もしてきます。
訳が長い方は、意味は良く分かって、中国のその他の例などもあり、情報量は圧倒的に多くなっています。
一番古い翻訳本では、訳自体はそれほど長くはないのに、その時の情景や将軍のなんとしてもやりぬくんだ!という決意が伝わってくるように感じます。
一番早く手に入れるには、現在出版されているものが良いと思います。がその後、時間があれば、この古い翻訳本も手に入れて、是非読み比べてみて欲しいですね。
それだけ奥の深い内容ですし、又言葉の持つ力という物も、感じることができます。
どちらにしても、もともとの文章量がきっと多いと思いますので、翻訳には苦労されたことと思います。
こうして気楽に読めることができて、本当にありがたいことだと思います。
感謝。
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